行列に並ぶ ーラーメン二郎 三田本店(2)
(承前)
コインロッカー探すのに手間取ったりしてなんやかやと到着したのは既に10時前ぐらい。
慶応大学正門に突き当たり、左手を見るとすぐに行列が目に入る。
建物沿いに列が並びちょうど角で折れ曲がったあたりで接続。およそ16、7人程の外待ちか。
外壁には翌週末に行われる総帥の喜寿祝い~生前葬パーティーのポスターが貼られていた。
列に並んでいると、建物の入り口が二カ所あることに気付く。その二カ所からちょくちょく人が出入りしてまた列に戻ったりしている。
よく見ていると、前方の入り口に券売機があってなんらかのタイミングで先にチケットを買っているようだ。でも順番に整然と買われているようで列の乱れはない。
後方の入り口から出入りしている人は荷物をその中のどこかに置いているらしい。荷物置き場があるのだろうか。コインロッカー探さなくてもよかったのかな。
列がもう少し進んでその入り口から店内が見渡せて分かったことは、店内が予想以上に狭いこと、前方の入り口と後方の入り口の間の壁ギリギリにカウンターと席があり店内で行き来は出来なさそうなこと、よって厨房を囲む形で店内を半周するカウンターの左半分に座る客は前方の入り口から、右半分に座る客は後方の入り口から出入りすること、後方の入り口の右手にはトイレに繋がる階段がありそこに皆、荷物を置くならわしとなっているようだということなどである。
ちゃんとした荷物置き場なんてものではなかった。コインロッカー探してまあ正解か。
前に並んでいる人が券を買いに行って戻ってきたので、続いて自分も列を離脱して前方の入り口に向かった。後で確認すると先頭からロットの分(4~5人?)ぐらいの人数になったら買いに行くというおよそのルールになっているようである。麺ゆでの際に事前に量を確認するためのことだ。
いろいろ増量するつもりはなかったので(というかムリは効かない胃袋になってきつつあるのを自覚しているので)、基本の「ラーメン 600円」を購入。青いプラスチックの札が落ちてきた。
いや、しかし600円だよな。いまどき600円で食べられるラーメン専門店は数少ない。
列に戻って待っているとやがて先頭から4人目ほどになったところで中のスタッフから声がかかる。
「食券みせてください」
前からひとりずつ確認していくのだが、4人目の位置では中から見えないので食券だけ中に向かって差し出す感じに。それでいいみたい。または「小」とか声で答えてもいいのだろう。
いよいよ席が空き、店内に迎え入れられる時が来た。
自分は後方の入り口すぐの角席であった。
外からも確認していたが、山田総帥の姿を改めて確認。麺上げしている!
古くからの常連さんと来週の生前葬について軽口を叩きながらにこやかで元気そうだ。
いよいよコールの時だ。
コールとはラーメンの完成直前にトッピングの有無等を聴かれることを言う。「ニンニク入れますか?」に対して答えるいわゆる呪文である。
「ヤサイマシマシアブラブラカラカラ」うんぬんかんぬんと、これが初心者にとって二郎のハードルを高くしている原因のひとつである。
ただ今日見ている感じではここ本店ではとても丁寧に聞いてくれるので、それに対して自分の言葉で好みを伝えればいいような気がする。
「そちらの角の席の小ラーメンのお客さん、ニンニク入れますか?」と助手の方から聞かれたので
「ニンニク少しとアブラ」
と答える。
個人的には刻みニンニクがあまり得意ではない(というかニンニクに支配されすぎちゃうのが嫌い)ので、平日昼間でなくても入れないことが多いんだけど、やはりここでは入れるのがデフォだろうから少しだけ。
他の店ではヤサイもコールすることが多いんだけど、三田本店は量が多いと聞いていたので増量系は一切控えておく。ただアブラだけは味わっておきたかったのでコールした。
(続く)