宿題店に向かう ーラーメン二郎 三田本店(1)

宿題店。
ずっと行きたいと思っているというのは勿論だが、それよりも食べておかないと(体験しておかないと)という意味の方が濃いかもしれない。

自分にとっての最大の宿題店、それが。

ラーメン二郎 三田本店。

レジェンド中のレジェンド店である。

のれん分け、弟子筋、インスパイア系、あらゆる形態で全国に増殖する二郎系と一括りに呼ばれることの多いデカ盛りラーメンの総本山。

ラーメンの食べ歩きをするようになって、二十年程。その間、年に二~三回は東京で食べる機会があった。

ただ遠征時にこの系統はなかなか選べない。せっかく足を伸ばした土地では出来るだけ多くの店を訪れたいと思うのが人情で、二郎のような連食に向かないラーメンは敬遠してしまいがち。

だから上京して食べたことあるのは、高田馬場や池袋や富士丸などほんの一部。

名古屋には直系も弟子筋もなく(うどん屋である「さんすけ」を除けば)インスパイア系ばかり。

やはり総本山で食べておきたい。
総帥と呼ばれる三田本店店主、山田氏は喜寿を迎えるというお歳。お元気とはいうがいつまで店頭に立たれているかわからない。

そのお姿もこの目で見ておきたい。

そんな気持ちを抱きつつもそれを実行するタイミングを失し続けてきていた。

毎年2月に展示会視察の出張があるのだが、その機会に連泊して食べ歩きをするのがこのところの恒例となっている。

今年もその予定だったのだが、展示会視察中に腰を痛めるというアクシデントが。幸い軽症だったが、いつものように東京を歩き倒すのには不安が残る。
ホテルは取っていたので泊まるにしても翌日は早めに帰るとしようと、初日に出歩きやすい範囲で食べ歩きをして早めにホテルに帰って静養。

さて翌日。どこかで一軒ぐらい食べてさっさと帰ろうと思うも、およそラーメン店の開店は11時とか11時半。用意していた候補店も軒並みその時間が開店時間。
例年だったらそれまであちこち歩き倒して見学等で時間をつぶすのだが、今日はそれは避けたい。

となるといわゆる朝ラーが食べられる店を探してその中から選びましょうか、とネットを漁る。

さすが東京、名古屋だとそうはいかないが、候補店が十数店すぐに出てくる。

そのリストの最後の方に「二郎 三田本店 8時半~」というのを発見。
そうか、ここがあったか。

今日に関しては他に連食もするつもりもなかったので、量的にも何の心配もいらない。絶好のチャンスではないか。

早速チェックアウトして三田に向かう。
駅に降り立ってgoogleマップに従って店に向かおうとして、狭い店内だった筈で宿泊用の大きなカバンが邪魔になるのではとハタと気付き、コインロッカーを探し荷物を預ける。

かように断片的な知識だけはあれこれ長年の間に積み重ねてはいるのだが、果たして実際はどうなのだろうと、はやる心を抑えつつ改めて店舗に向かうのであった。
(続く)

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