『究極』と『Walker』
ラーメン本(MOOK)が出そろう季節である。
名古屋も例年通り、9月にぴあ『究極のラーメン 2020 東海版』そして10月にウォーカー『ラーメンWalker東海2020』が発売された。
ファンにとってはそれぞれ工夫が凝らされた誌面をパラパラめくりながら、あーでもないこーでもないとブツブツ呟いたり、お気に入りのラーメンの写真やまだ見ぬ限定麺の情報にニヤニヤしたりと、なにかと忙しい。
二誌はライバル関係にありながら共存しており、2月の名古屋ラーメンまつりでも競いあったりしているが、どちらが売れてるとかは正直わからないし、ラヲタは両方買うだろうが一般にはどちらがウケてるのかもわからない。
『究極』の目玉は、ブロガーやインスタグラマーを中心とした選考委員が選ぶ「究極のラーメンAWARD」であろう。
誌面でもトップに扱われ、かなりのページがさかれているし、なにより表紙の写真に使われるなどその年の一位を取ることはかなり大きな意味合いがある。
一方、『Walker』にも「グランプリ」を選ぶ企画があり、読者と百麺人と呼ばれる全国の恣意的に選ばれたラーメン好きの投票によって選ばれるようだ。
こちらはあまり目立たない誌面構成となっており、愛知・岐阜・三重それぞれで3位までが取り上げられており、さらに同じ大きさで新店もそれぞれ3つ選ばれており「今年はこの一軒」という感じは『究極』よりも薄い。
ちなみに今年の「究極のラーメンAWARD」は白流@瑞穂で、「グランプリ」は愛知は飛鶏@春日井、岐阜はイロドリ@細畑、三重はそにどり@四日市である。
それぞれのランキングは個人的には一長一短といった感じを受けており、ざっくりいえば『究極』はマニア寄りで『Walker』は一般寄りということになるのだが、では『Walker』のグランプリはマニア受けしない店かというとそういうことでもない。
どちらもちゃんと美味しい店が選ばれているのだけども、『究極』の方がやや偏っているかも、と思うのは自分が『究極』に関わっていた時期もあって多少裏側を知っているからかもしれない。
そんなことより実は個人的に気になっているのは「殿堂店」の存在である。
『究極』の場合は一度でもAWARDを取ると、次の年からはランキング候補外となる。『Walker』の場合はもう少し厳しくて2年連続一位または4年連続3位以内ということらしい。
同じ店が何度も選ばれることを興ざめと見る向きもあるかもしれないが、この仕組みはあまり個人的には面白くない。
関東シーンにおける『TRYラーメン大賞』においてはあのとみ田@松戸ですら四連覇しないと殿堂入りにならなかったのだ。
一回頂点に立っただけで殿堂入りというのはそれだけでも違和感あるし、名店同士の切磋琢磨を阻害することにしかならないのではと思ったりする。
まあ、殿堂入り店には両誌とも手厚い扱い(?)が毎年されているのだが(雑誌企画の限定の開発と提供)、いいように扱われているという見方もできる。皮肉な言い方をすれば、うっかりAWARDやグランプリを取ってしまうと、その雑誌にこき使われる、と。
もちろん集客という意味での見返りは確実にあるだろうから、イーブンなのかもしれないけど。
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